田渕 六郎 氏
上智大学総合人間科学部社会学科 教授
大学で社会学を教えている関係で、この3年ほど、上智大学の学生と一緒に海士町のいくつかの地域を訪れており、巡の環にそのコーディネートをしていただいています。
巡の環の皆さんが地域の方々と深い信頼で結ばれていることにはいつも感銘を受けています。
日本を含む先進諸国は、環境、地域、福祉、経済などについて無数の課題を抱えています。
さまざまな学問が処方箋の提案を試みていますが、それらの課題に私たち一人一人がどうやって向き合っていったらよいのかは教えてくれません。
この本で描かれる「未来」は、私たちにとっての「未来」でもありますが、阿部さん、信岡さんたちの取り組みは、私たち自身がいかに生き、何をすべきかを考えるうえで、貴重な示唆を与えてくれます。
今の社会のあり方に疑問や違和感を感じるすべての方、とくに学生さんたちに、この本を読んで、考えてほしいと思います。また、
ぜひ海士町を訪ねてみてほしいと思います。